※本記事は、自社で実際に試作した広告運用AIエージェントの開発記録です。
- ChatGPT全盛期に作った「Ver1」は、Search Consoleのデータを自動取得→AIが分析→Looker Studioで可視化する仕組み。ただし最後の「CSVアップロード」だけは人力が残った
- Geminiに乗り換えた「Ver2(GaiSTUDIO)」は、その人力作業ゼロを目指し、スプレッドシート上でAIが直接改善提案を書き込むところまで進化中
- 作ってみて分かったのは、「今の自分のフェーズでは、ツールに頼るより手動でサチコを見た方が早い」という現実的な結論。それでも大企業がこぞってAI広告運用に舵を切っている流れは無視できない
今、大企業や大手広告代理店を中心に、広告運用の現場に「AI」を組み込む動きがこぞって進んでいます。
実際に自分たちで広告を運用してきた体感としても、また同業の運用者同士で話していても、「これは近いうちに、広告運用のやり方そのものが大きく変わるだろう」という空気を感じています。
そこで今回は、実際に手を動かして「広告運用を助けてくれるAIエージェント」を自作してみた記録を公開します。
ChatGPTが台頭し始めた頃に作ったVer.1と、Geminiに乗り換えて再構築したVer.2、その進化の過程と、正直な感想までまとめました。
Ver.1:ChatGPT × Search Console × Looker Studio
最初に作ったのは、「Google Search Console(検索順位やクリック率のデータ)」を自動で取得し、AI(GPT-5)に分析させ、その結果をLooker Studio(Googleの無料BIツール)でグラフ化する、という仕組みです。
仕組みのイメージ
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② 取得したデータをAI(GPT-5)に読ませて、「どのページに改善余地があるか」を分析させる
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③ 分析結果をLooker Studio(表・グラフ)に統合し、人間が見やすい形にする
ポイントは、「Googleに自分のデータへのアクセスを許可してもらう手続き(OAuth認証)」を最初にきちんと行うところです。これは、いわば「あなたのパソコン」と「Googleの検索データ倉庫」をつなぐ通行証を発行する作業で、ここさえクリアすれば、あとはプログラムが自動でデータを取りに行ってくれるようになります。
Ver.1で分かった限界
データの取得とAIによる分析までは自動化できました。しかし、最後の「分析結果をLooker Studioに反映する」工程で、CSVファイルを手作業でダウンロード・アップロードする必要があり、完全な自動化には至りませんでした。
正直な感想としては、「CSVを人力でアップロードする手間が残るくらいなら、Search Consoleのデータを自分でダウンロードして、それをAIに直接質問した方が、質も速さも上」という結論に落ち着きました。ツールを作ること自体が目的化しないよう、ここは一旦立ち止まった形です。
Ver.2:Gemini × Google Sheets(GaiSTUDIO)
Ver.1の反省を踏まえて設計し直したのが、Gemini(Google製のAI)をベースにした「GaiSTUDIO」です。目指したのは「人がCSVを触る工程を完全にゼロにする」こと。
仕組みのイメージ
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② スプレッドシートに書いた「目標」と、集まった「実績データ」をGeminiが読み取り、戦略を思考
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③ 改善案は人がグラフを見に行くのではなく、スプレッドシートのセルに直接AIが書き込む
Ver.1との一番の違いは、「人間はスプレッドシートを開くだけでいい」という設計思想です。CSVのダウンロード・アップロードという「脱・人力」はもちろん、Looker Studioでグラフを見て解釈する手間も省き、「次に何をすべきか」というテキストの結論だけを受け取れる形を目指しています。
現時点の進捗
2026年7月時点での状況は、機能ごとに温度差があります。
- ヒートマップ(Microsoft Clarity):接続済み。ランディングページの行動データをスプレッドシートに自動反映できている
- Google広告:アカウント連携までは完了。ただしAPIの本番申請(Googleの審査)待ちの段階
- GA4(アクセス解析):接続情報は確認済みだが、クライアント側の権限設定の都合で一時保留中
つまり「広告費 × ユーザー行動(ヒートマップ)」を掛け合わせた分析は動き始めている一方、そこにGA4のデータを本格的に統合し、「集客×行動×成約」まで含めた経営判断レベルの提案を出す、というのはこれからのフェーズです。
今後やりたいこと
- GA4×Google広告の統合:外的要因(審査・権限)がクリアになり次第、集客から成約までを一気通貫で分析できるようにする
- 横展開:同じ仕組みをフォルダごとコピーするだけで、他社・他クライアントの分析にも転用できるようにする
- LINE通知:AIが改善案を出したタイミングで、スマホのLINEに直接通知が飛ぶようにする
- 自動レポート:クライアント向けの週次レポート作成そのものをAIに任せる
作ってみて感じたこと
実際に手を動かしてみると、「AIエージェントに広告運用を丸ごと任せる」世界は、まだ発展途上だというのが正直な実感です。Ver.1では結局「人力の方が早い」工程が残りましたし、Ver.2も現状はデータ収集基盤を組んでいる段階で、経営判断まで自動で出せるところには届いていません。
ただ、それでも作業を進める中で感じるのは、大企業や大手代理店がこぞってAI導入に舵を切っている流れは本物だということです。今はまだ人の判断が要る部分が多くても、この変化のスピードを考えると、広告運用のあり方は近いうちに大きく変わっていくはずです。だからこそ、早いうちから自分の手で仕組みを触っておく価値があると考えています。
こうしてツールが揃ってきたことで、「個人でも広告運用ができる時代」になったのは間違いありません。ただ、それが「じゃあ誰でも簡単にできるのか」と言われると、話は別です。実際に自分の手を動かしてエージェントを組んでみた結果、正直なところ今の時点ではまだ「誰でも」とは言い難い、というのが本音です。API連携の手続き、AIへの指示の出し方、出てきた結果の解釈など、越えなければならないハードルはまだいくつも残っています。
WRITER PROFILE
Web Marketer / Director
10年以上のキャリアを持つWebマーケター。EC・D2C領域からB2Bのリード獲得まで、多岐にわたる業種で「0からの集客基盤構築」を行ってきました。 広告運用だけでなく、制作からLPO、SEO、EFOまで幅広く手がけています。今のお客様にとって本当に必要なことを一緒に考え、着実に成果を積み上げていくスタイルを大切にしています。また、最近では当サイトでも発信している通り、先端AIを実務に活用することで、より効率的で精度の高いマーケティング支援を追求しています。


